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美術部門(びじゅつぶもん) 講評(こうひょう)

 今年(ことし)の「あいサポート・アートとっとり(てん)」には過去最高(かこさいこう)の489(てん)応募(おうぼ)がありました。この事業(じぎょう)定着(ていちゃく)してきたことを(しめ)すとともに、(しょう)がいがある(かた)芸術活動(げいじゅつかつどう)(おこな)うことがごく普通(ふつう)のこととして()()れられるようになったことを物語(ものがた)っているように(おも)われます。

 美術部門(びじゅつぶもん)審査(しんさ)何年(なんねん)(つづ)けてきましたが、今回(こんかい)(おお)きな変化(へんか)がありました。(しょ)応募(おうぼ)大変増(たいへんふ)えたことです。(しょ)出品(しゅっぴん)()えたことは、最近(さいきん)各施設(かくしせつ)での()()みを反映(はんえい)しているのかもしれません。(ぎゃく)写真(しゃしん)立体造形(りったいぞうけい)応募(おうぼ)(すく)なかったように(かん)じられます。応募作品(おうぼさくひん)(かず)作品(さくひん)(しつ)(ふか)(かか)わっています。(しょ)絵画(かいが)力作(りきさく)がたくさん(みと)められたのに(たい)して、写真(しゃしん)版画(はんが)はやや低調(ていちょう)であった()がします。

多様(たよう)作品(さくひん)反映(はんえい)して、審査員(しんさいん)()作品(さくひん)例年(れいねん)にも()してばらばらでしたが、梅田佳輝(うめだよしてる)さんの《うねり》は五名(ごめい)審査員(しんさいん)満票(まんぴょう)獲得(かくとく)して、文句(もんく)なしで最優秀賞(さいゆうしゅうしょう)(えら)ばれました。タイトルのとおり、うねるような雄渾(ゆうこん)筆触(ひっしょく)画面(がめん)()たす生命感(せいめいかん)のみなぎる作品(さくひん)です。立体部門(りったいぶもん)でも(おな)梅田(うめだ)さんが《ドット(こむ)(コム)》によって金賞(きんしょう)受賞(じゅしょう)されていますが、こちらは包装(ほうそう)(もち)いるエアキャップを(ひと)(ひと)着色(ちゃくしょく)した(こま)かい作業(さぎょう)作風(さくふう)(ひろ)がりに(おど)きました。あと(ふた)つの金賞受賞作(きんしょうじゅしょうさく)のうち、白兎(はくと)はまなすタートルズの共同制作(きょうどうさぎょう)による《フットプリント》はタイトルのとおり、足型(あしがた)をモチーフにした(たの)しい作品(さくひん)、もう一方(いっぽう)塩崎琴音(しおざきことね)さんの《(おと)》は(はな)模様(もよう)精密(せいみつ)()()んだ作品(さくひん)です。今年(ことし)受賞作(じゅしょうさく)はおおらかさと緻密(ちみつ)さの(あいだ)表現(ひょうげん)(ひろ)がりを(しめ)しているように(かん)じました。

 審査(しんさ)にあたってはやはり(おお)きな作品(さくひん)、しっかりと額装(がくそう)された作品(さくひん)()()きます。来年(らいねん)(おお)くの応募(おうぼ)があることを期待(きたい)するとともに、応募(おうぼ)されるにあたっては(おお)きさや形式(けいしき)にも()(つか)っていただくのがよいのではないかと(かん)じました。

尾崎(おさき) 信一郎(しんいちろう) (鳥取県立博物館副館長兼美術振興課長(とっとりけんりつはくぶつかんふくかんちょうけんびじゅつしんこうかちょう)

文芸部門(ぶんげいぶもん) 講評(こうひょう)

 本年度(ほんねんど)の「あいサポート・アートとっとり(てん)」の文芸部門(ぶんげいぶもん)には、昨年(さくねん)の27(てん)から大幅(おおはば)()え、()21(ぺん)短歌(たんか)12(へん)俳句(はいく)(へん)川柳(せんりゅう)篇合計(ぺんごうけい)45(てん)(およ)(おお)くの応募(おうぼ)がありました。

 これらを石山(いしやま)ヨシエ・小山正恵(こやままさえ)倉益敬(くらますけい)の3(めい)審査員(しんさいん)により、事前(じぜん)()()った応募作品(おうぼさくひん)から推薦(すいせん)する作品(さくひん)上位(じょうい)より選出(せんしゅつ)し、審査会(しんさかい)()()()検討(けんとう)(くわ)えました。

 最優秀賞(さいゆうしゅうしょう)の「とべないホタル」は審査員全員(しんさいんぜんいん)が1()()した作品(さくひん)でしたので即決(そっけつ)いたしました。言葉(ことば)のリズムの()さ、少年(しょうねん)とホタルとの関係性(かんけいせい)(なか)(たが)いの(いのち)(おも)いやる(とうと)さ、1()()ていねいに()かれた文字(もじ)展示作品(てんじさくひん)としてのビジュアル(てき)なバランスの()さなど(もう)(ぶん)のない受賞(じゅしょう)であったかと(おも)われます。

 金賞(きんしょう)銀賞(ぎんしょう)銅賞(どうしょう)選考(せんこう)では、僅差(きんさ)判定(はんてい)となり、各審査員(かくしんさいん)(あつ)批評(ひひょう)展開(てんかい)されました。(たがい)いの意見(いけん)尊重(そんちょう)しつつ最終的(さいしゅうてき)には()をもって、それぞれの(しょう)決定(けってい)しました。

 (しょう)(えら)ばれなかった作品(さくひん)にも、それを()がけた作者自身(さくしゃじしん)でしか(えが)()せないオリジナルな世界(せかい)が、その肉筆(にくひつ)などに表現(ひょうげん)されていて(ふか)感銘(かんめい)(あた)えられました。

 最優秀賞(さいゆうしゅうしょう)の「とべないホタル」の1(せつ)笑顔(えがお)毎日(まいにち)とんでいる」。そして金賞(きんしょう)の「さんぽ」の1(せつ)「この()平和(へいわ)だと(かえる)(わら)っている」。

そこに(たし)かな「希望(きぼう)」という言葉(ことば)()(おも)いが(いた)します。「可能性(かのうせい)」という言葉(ことば)同時(どうじ)()かんでまいります。

観覧(かんらん)された皆様方(みなさまがた)には、(すべ)ての出展作品(しゅってんさくひん)(なか)希望(きぼう)可能性(かのうせい)という(うつく)しい世界(せかい)がひそんでいる(こと)是非(ぜひ)とも発見(はっけん)して(いただ)きたいと審査員一同(しんさいんいちどう)こころより(ねが)って()みません。

倉益(くらます) (けい) (鳥取県歌人会(とっとりかじんかい) 会長(かいちょう)

マンガ部門(ぶもん) 講評(こうひょう)

 作品(さくひん)それぞれに()(あじ)があり、(あたま)(なや)ませました。

 どの作品(さくひん)も4コママンガの基本的(きほんてき)なセオリーをしっかり()さえ、それぞれのコマの役割(やくわり)、コマからコマへの展開(てんかい)上手(じょうず)な、(すぐ)れた作品(さくひん)ばかりでした。

 No.190「いまなんじ?」は、まず個性的(こせいてき)存在感(そんざいかん)たっぷりのキャラクター、いわゆる「キャラ()ち」した登場人物(とうじょうじんぶつ)に、作者(さくしゃ)力量(りきりょう)(かん)じました。また、3コマまではあえて平面的(へいめんてき)(えが)き、4コマ()視点(してん)()えて()とすという、三次元(さんじげん)トリックには感服(かんぷく)しました。

 No.119「トラの日常(にちじょう)」は、(くろ)ワクとのびのびした余白(よはく)、そして(くろ)いネコの対比(たいひ)(うつ)しさが、()()きました。書体選(しょたいえら)び、セリフの配置(はいち)にも()づかいが(かん)じられる優秀(ゆうしゅう)作品(さくひん)です。

 No.189「ヒーローはつらいよ」は、4(ほん)の4コママンガが、16コマの短編(たんぺん)マンガとしても()める二重構造(にじゅうこうぞう)(たく)みでした。オチである15コマ()のヒーローの(ちち)を、2コマ()にこっそり登場(とうじょう)させる伏線(ふくせん)()(かた)見事(みごと)でした。

 No.2052「大山博労座市(だいせんばくろうざいち)」は、()()つパワーに()をひかれました。迫力(はくりょく)のある(せん)力強(ちからづよ)色選(いろえら)びに可能性(かのうせい)(かん)じます。

 No.2120「友達(ともだち)」は、一見(いっけん)まったくなんの共通点(きょうつうてん)もない、(やま)のクリと(うみ)のウニの(ちい)さな共通点(きょうつうてん)を、哲学的(てつがくてき)()いかけにまで(ひろ)げたスケール(かん)にうなりました。

 No.034「(かな)しい(しょう)(?)(げき)」は、いきいきした(せん)に、アニメーションのような(うご)きが(かん)じられ新鮮(しんせん)でした。とんでもないドタバタ(げき)を、ここまでユーモラスに(えが)ける技量(ぎりょう)にも感心(かんしん)しました。

 残念(ざんねん)ながら入選(にゅうせん)しなかった作品(さくひん)も、それぞれに工夫(くふう)があり、マンガを(えが)(たの)しみを(かん)じる素晴(すば)らしい作品(さくひん)ばかりで、審査員一同大(しんさいんいちどうおお)いに刺激(しげき)()けました。次回(じかい)(たの)しみにしています。

角田(つのだ) (おさむ) (マンガクリエーター)